こんにちは。現役テレビ局員の山田みかんです。
約10年の記者経験と宣伝担当の経験から、マスコミ側から見た広報戦略についてお伝えしています。
そろそろ広報担当を作ろうと思っていて。まずはInstagramとTwitterとTikTokを…
待って待って!まずは広報の目的をみんなで共有してからだよ
SNSで自社製品やサービスを発信する方が増え「うちも何か発信しなくては」と焦る方も多いのではないでしょうか。
しかし、闇雲にスタートしても上手くいかないのが広報。
そこで今回は広報を始めるにあたり、考えるべき4つのことをお伝えします。
以下に当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
・会社から急に広報担当を命じられた方
・サービスなどを発信したい個人事業主の方
・自社に広報部門を立ち上げたいと考えている経営者の方
この記事のポイントを大切にすれば、長く自走できる広報担当・広報部門を作ることができます。
目的を理解して、持続的な広報を目指しましょう。
広報を始める際に意識してほしいのは以下の4点です。
①目的は何かを共有する
②広報のゴールを設定する
③年間スケジュール、人的リソースの確認
④お手本にしたい他社広報を見つける
目的は何かをチームで共有する
まずは「何のために広報するのか」を社内やチーム内ですり合わせます。
経営者の方が、自身で広報を担当するという場合でも「なぜ広報をしたいのか」を明確にすることが肝心です。なぜなら、目的によって広報のアプローチが異なるからです。
例えば「“高齢者向けサービス”の売り上げを伸ばしたい!」と考えているとき、高校生向けにサービスを広報するとどうかな?
高校生へ広報しても、広報の効果は少ないと思う…
目的を明確にすることで、広報を具体的に考えることができます。
・介護施設(=需要が見込まれる環境)へ向けてチラシなどで商品の発信をする
・SNSなどの介護コミニュティでユーザーの声を拾い上げ紹介する
・新たなユーザー獲得に向け、介護が必要な家族を持つ人のアカウントを調査して需要を見極める
何のために広報するのか、自社がどうなりたいかを設定してはじめて、広報の方法が検討できるんだ!
また、広報の目的を共有することで、
- こんなプレスリリースを出してほしい!
- これもSNSで投稿してほしい!
こうした手当たり次第広報してほしいという見当違いな指示や依頼を防ぐことができます。
“脈略のない発信”をせずに済むため情報を受とる側も戸惑うことがありません。
広報のゴールを設定する
次はゴール設定です。
注意してほしいのですが、これは「売上◯円増」といった目標ではありません。
広報の効果は非常に曖昧です。そもそも売り上げに必ずしも直結するわけではありません。
広報前と後の効果測定などもできますが、数値化することが難しいのが広報。
多くの広報さんがこのことで悩み、壁にぶつかってきたのではないでしょうか。
じゃあゴールに何を設定すれば良いの?
どんな作業をするか、そこを目標にするといいんだ!
・社内の“広報できそうな情報”を集める活動を月2回行う体制を作る
・(始動1年目)広報担当者全員が「SNS投稿」「リリースサイト投稿」ができる
PV数を目標にする方もいらっしゃいますが、これは広報した“内容”(例えばイベント登壇者の人気度や、商品のそもそもの認知度)に左右されるので、広報に工夫があったかどうかが判断しづらい部分です。
また、プレスリリースの本数を目標にする方もいるのですが、本末転倒!プレスリリースは数ではなく質が大事です。数にこだわるばかりに、中身が疎かになっていては、元も子もありません。
広報をするために、日々どんな業務が必要で、そのためにどんなスキルが必要なのか。それを達成することを目標にされると良いでしょう。
年間スケジュール、人的リソースの確認
ここまできたら、あともう少し!続いて、年間スケジュールを確認します。
自社の1年間のスケジュールがどうなっているのか。会社全体だけでなく、部署ごとの動きを把握することで、広報のタイミングが見えてきます。
例えばイベントの開催月の目星がつけば、そこから逆算して広報のスケジュールを組むことができるよ
チェック①イベントや商品販売の時期が重なっていないか
特にチェックが必要なのが、イベントや商品販売の時期が重なっていないかです。
縦割りの会社で多いのが、横の部署が何をしているのかを知らないままに部署独自の年間スケジュールを立ててしまうケースです。
そういえば、A部署が神奈川県でイベントをしている時に、B部署が本社のある茨城県で新商品発表会を行ったことがあったな…
A部署のイベントも、B部署の商品発表会も大事、ということで広報担当者はどちらもPRすることになるでしょう。しかし、せっかく取材依頼をもらっても2つが同時に進行していては両方の取材対応ができないという状態が発生します。
大きな案件は「若干案件が被る時期があるけど、基本的には常に1件を担当している」という状態にしておくことで、いつでもすぐに取材対応することができます。
もし広報できそうなイベント・商品発表などの時期がかぶっている場合は、それぞれの部署に連絡し、時期の調整をしてもらいましょう。日程変更が難しいようであれば、どちらかを重点的に広報するという形をとることが最善です。
チェック②広報担当の人数は?SNS運営はいくつが最適?
広報は仕事量の増減が激しい仕事です。
取材が入らない時期=“平時”が続くと想定して、SNSの投稿数を以下のように設定したとします。
- Twitterを1日3投稿
- Instagramを1日1投稿
- TikTokを1日1本投稿
- YouTubeを週1本投稿
しかし、取材が入った場合、広報は取材対応の準備などに追われることになります。こうなると取材が入ったタイミングで投稿がストップ!ということになりかねません。
取材がない時期の広報=“平時”ではなく、年間を通して、常に1人が取材対応ができる状態にしておくのが理想です。
そのためには、個人のスキルにもよりますが広報担当1人につきSNSが1つ以上にならない方が良いでしょう。
年間を通して、常に1人が取材対応ができる状態にしておくのが理想です。
年間スケジュールと人的リソースを確認し、同時並行が起きないように、キャパを超えた取材が発生しないように注意して組織を発足させましょう。
お手本にしたい他社広報を見つける
最後にお伝えしたいのが、お手本にしたい他社の広報を見つけて行動してほしいということです。
しかし、むやみやたらに「この人にしよう!」と決めてしまうのではありません。
決める際には3つのポイントを抑えておく必要があります。
① 他社の広報をよく観察すること
どういうところで、どれくらいの頻度で活動しているのかを知っておく必要があります。
同じような広報活動をしているのであれば、切り口や訴求、トレンドが参考にできることがあります。
まずは、自分たちの広報と他社の広報の動きを比較することから始めてみましょう。
② 自分たちと同じ規模を参考にする
自分たちの規模と同等の規模の会社を参考にするようにしましょう。
というのも、考えてみてください。
広報活動をより良くするためには、同等の規模の会社を参考にする必要があるのです。
③ 全く別の業種を参考にする
同じ規模の同じ業種の他社を参考にしたとしても、ほぼ同じ広報活動をしていることが多くあります。
全く別の業種を参考にすることで「新たな視点」や「活動の目標」が生まれるキッカケにも繋がります。
自分たちの強みや弱みも比較することができるため、広報活動の視野も広がっていくのです。
広報はやっていくうちに「これもやろう」「あれもやった方がいいかな」と、雪だるま式で仕事が増えていってしまいます。
仕事が増えてしまうと、他の仕事が回らなくなってしまい、体調にも影響が出てしまうよね。
自分たちがどれくらいの範囲まで仕事をこなせるのか。
しっかりと把握し、取捨選択をすることで、広報への取り組み方も大きく変わってきます。
広報をスタートするにあたり、意識すべきポイントを押さえておくことでブレない広報を続けることができるよ!
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