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ガソリンスタンドの存在意義は?価格高騰で「憩いの場」目指す店舗も

ガソリンスタンド




ドライブ中など、町の至る所で見かけるガソリンスタンド。

実は90年代をピークにその数が減り続け、現在は約半数になっています。

車離れや値上がりでガソリン需要が減る中、給油ではない分野に活路を見出そうとする店も出てきました。

三重県伊勢市のガソリンスタンドでは、「給油する予定がなくても立ち寄れる場所にしたい」と先月から手作りの「カプセルトイ」を設置。

需要減に打ち勝とうと奮闘する店の取り組みを調べました。




江戸時代から続く”老舗油屋”

三重県伊勢市にあるガソリンスタンド「油米(あぶよね)」。

慶応2年(1866年)から“灯し油”などを販売してきた老舗です。

油米が運営するガソリンスタンド「スマイルランド神久」 出典引用:福祉施設

「セルフ給油」が増えた今も「給油機に不慣れな人を支えたい」とスタッフが給油を担当するなど、地元住民から「油屋さん」として親しまれてきました。

しかし、今月末(2022年9月30日)で市内の1店舗を閉鎖するなど、いま給油客の減少に直面しています。

需要が減るガソリンスタンド

カーシェアリングの急速な普及などにより「車を持たない生活スタイル」が若い世代を中心に広がってきた近年。

自動車の所有数・普及率が低下するのに伴い、ガソリンスタンドの閉鎖も相次いでいます。

経済産業省によれば、ガソリンスタンドは1994年度の約6万店舗をピークに数が減少し続け、昨年度は約2万8千店舗と、この30年で半数のガソリンスタンドが街から姿を消しているのです。

地元住民に愛される「油米」にも、数年前から需要減の波が押し寄せていました。

そこへ追い討ちをかけたのが“コロナ禍”。全国屈指の観光地である伊勢市では観光客が激減。

地元の製造業もストップしたためガソリンの需要がさらに落ち込み、「油米」の2020年の売上は前年に比べ47%ダウンしたといいます。

新たなガソリンスタンド需要を探して

逆境に立たされる中、「へこたれず、地域のために貢献できる仕事を探したい」と考えていた「油米」店主の妻。

2020年には伊勢市と災害協定を結び、地震などの大規模な災害が起きた時に「ガソリンを供給・運搬すること」や「帰宅困難者の一時休憩所として店を開放すること」を掲げました。

ただのガソリンスタンドではなく、町の公的機関として役割を果たしたいとの思いからでした。

そんな折、女性は出かけた先で道路脇に「雑貨」や「植物」などが並べられた棚を発見します。

「これは何だろう」と疑問に思い、近所の人などに話を聞いたところ、それが障害者施設が運営する“無人販売所“だと知ったといいます。

「人通りのない場所に置くより、市街地にある『油米』に置いた方が目に留まるのでは」とひらめいた女性は、すぐに施設に交渉。

ガソリンスタンドに福祉施設が作る商品の一つである「ストラップ」を置くことが決まりました。

「スタンドに置かれたカプセルトイ」出典引用:福祉施設

商品をただ並べるだけでは面白くないと、油米の倉庫に眠っていたカプセルトイに入れて販売することにし、今年8月ようやく販売が開始しました。

「給油」ではなく「憩い」の場所に

女性は「ガソリンスタンドを給油をするだけの場所ではなく、地域住民の”憩いの場”にしていけたら。カプセルトイが、そうしたキッカケの一つになれば嬉しい」と話します。

「給油」や「車検」の他に、なかなか訪れる機会のないガソリンスタンド。

いまその存在意義が問われています。

■総務省「平成26年度消費実態調査」
https://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/pdf/gaiyo.pdf
総務省によれば、2009年から2014年にかけ、2人世帯の自動車所有数はマイナス2.6%、普及率もマイナス0.7%と、他の家電などに比べても下落幅が大きいのが「自動車」です。

■経済産業省「令和3年度末揮発油販売業者数及び給油所数」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/distribution/hinnkakuhou/220729a.html
経産省によると、この5年で約2000の給油所(ガソリンスタンド)がなくなっています。

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