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消滅可能性「悪化」自治体は記者の常駐がゼロ!記者クラブに「記者が常駐しているかどうか」が、自治体の課題解決に一定の影響を及ぼす可能性 

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全国の自治体に設置された「記者クラブ」に、マスコミの記者が「常駐しているかどうか」が、自治体の課題解決に一定の影響を及ぼす可能性があることが分かりました。

これは弊社で実施した全都道府県および全市区町村1788自治体へのアンケート調査結果と、民間の有識者でつくる「人口戦略会議」(2024年4月)における「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」のクロス集計により判明したものです。

今回実施したクロス集計では、2014年に公表され注目された「消滅可能性自治体」が、その後「改善」もしくは「消滅可能性自治体を脱却」している場合には「改善がみられる自治体」とし、また「新たに消滅可能性自治体に該当」もしくは「人口減少率等が悪化」している自治体を「悪化がみられる自治体」として抽出した上で、弊社の調査からそれらの自治体に記者クラブが設置されているかどうか。

また、記者クラブに記者がどれくらいの頻度で滞在しているかを重ね合わせる形で検証しました。

その結果、下記の通り「記者が常駐している自治体」は「常駐していない自治体」よりも改善が見られる割合が高いことが明らかになりました。




①記者が常駐しているかどうか

・2014年から「改善がみられる自治体」の中で、記者クラブがあり、「常に1人以上の記者がいる」と回答した自治体は24.9%でした。

・2014年から「悪化がみられる自治体」の中で、記者クラブがあり、「常に1人以上の記者がいる」と回答した自治体は0%でした。

弊社のアンケートに回答した記者クラブのある自治体では、記者が常駐している割合が25.3%だったことから「改善」した自治体は平均的な記者常駐率である一方、「悪化」した自治体では記者の常駐が少ないことが分かります。

②記者を週一以上見かけるかどうか

・「改善がみられる自治体」の中で、記者クラブがあり、「週に1日以上記者を見かける」と回答した自治体は75.0%でした。

・「悪化がみられる自治体」の中で、記者クラブがあり、「週に1日以上記者を見かける」と回答した自治体は64.5%でした。

③5年前と比べて記者が減っているかどうか

・「改善が見られる自治体」の中で、記者クラブがあり、「5年前と比べて記者が減っている」と回答した自治体は26.5%でした

・「悪化が見られる自治体」の中で、記者クラブがあり、「5年前と比べて記者が減っている」と回答した自治体は35.4%でした

記者の存在が、自治体の課題にポジティブに作用する可能性

この調査結果から、記者クラブに常駐する記者らが自治体の動向をつぶさにチェックし、「権力の監視」や「税金の無駄遣いへの抑止力」としての機能を果たすため取材・発信を重ねることで、自治体の課題(今回は主に人口減少の課題)に対するポジティブな影響を与える可能性が示唆されています。

弊社では引き続き、「地方の情報の扱われ方」が、自治体運営にどのような作用を及ぼすかなどを調査してまいります。

調査・文/鈴木雄也(@YuyaSuz42829019)、山田みかん

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